産業廃棄物収集運搬業の許可を取るには、まず「産業廃棄物とは何か?」という基本的な知識を正しく理解しておく必要があります。
許可を取得しても、取り扱えるものが産業廃棄物に該当していなければ運搬できず、「せっかくお金も時間もかけて許可を取ったのに意味がなかった……」という事態にもなりかねません。

これから許可を取ろうと考えている方や、事業を始めたばかりの方にも分かりやすいように、「産業廃棄物」とは何かを簡潔にかつ具体的に解説していきます。

産業廃棄物というのは、その言葉のとおり「産業活動」から排出される「廃棄物」のことを指します。
つまり、企業や個人事業主などの事業活動によって出てくるごみの中で、法律上で定められたものが「産業廃棄物」です。

 

例えば、工場で出る金属くずや油類、建設現場から出るコンクリートがら、医療機関から排出される感染性廃棄物などが挙げられます。

ただし注意が必要なのは、事業から出たごみであればなんでも「産業廃棄物」となるわけではないという点です。
見た目や種類が同じでも、「どの業種から出たのか」によって分類が変わる場合があります。

産業廃棄物は、大きく2つのタイプに分類されます。

① すべての業種から出た場合でも「産業廃棄物」となるもの

これは20種類に分類されており、例えば以下のようなものがあります。

  • 廃油
  • 廃酸
  • 廃アルカリ
  • 金属くず
  • ガラスくず・コンクリートくず
  • 木くず
  • 燃えがら
  • 汚泥
  • 動植物性残さ など

このタイプの廃棄物は、どのような事業活動から出ても、該当すれば産業廃棄物となります。

② 特定の業種から出た場合のみ「産業廃棄物」となるもの

こちらは、排出元の業種によって産業廃棄物かどうかが決まります。

具体的には「紙くず」「繊維くず」「動物のふん尿」「動物の死体」などが該当します。

たとえば「紙くず」は建設業や製造業など特定の業種から排出された場合は産業廃棄物になりますが、オフィスや店舗などの事務所から出た紙くずは「事業系一般廃棄物」という別の扱いになります。

◆ 紙くずの例で考えてみましょう

紙くずはどこでも出るものですが、分類は業種で異なります。

  • 建設現場から出た設計図や養生紙など → 産業廃棄物(紙くず)
  • 事務所や店舗から出た書類やチラシ → 事業系一般廃棄物

このように、同じ「紙くず」でも、排出された場所や業種が違うだけで、扱いが大きく変わります。
許可を取った後に「これは運べないごみだった」と気づくのは非常にもったいないですよね。

◆ 許可を取得する前に確認すべきこと

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する前に、必ず以下の点を確認しておきましょう。

  • 自分が運搬しようとしている廃棄物は、法律上の産業廃棄物に該当するか?
  • その廃棄物はどの業種から出たものか?
  • 20種類の産業廃棄物のうち、どれに該当するのか?
  • 特別管理産業廃棄物ではないか?(別の許可が必要です)

これらの確認を怠ると、違法な運搬行為となってしまう可能性もあるため要注意です。

◆ 自分での申請は複雑?専門家に相談するのも一つの手

許可申請には、事業計画書や講習修了証、車両の証明書類など、さまざまな書類が必要です。
また、申請先は都道府県ごとに異なり、自治体ごとのローカルルールがある場合も。

初めての方がすべて一人で進めようとすると、「どこでつまずいたかすらも分からない」「時間だけが過ぎていく」といったことになりかねません。

弊社では、産業廃棄物収集運搬業の許可取得を目指す方のために、完全サポート体制をご用意しています。
初回相談は無料ですので、不安なこと・分からないことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!

 

 


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