新型コロナウイルスの影響で、観光業は一時深刻な状況となりましたね。しかし現在は、コロナ禍以前の水準近くまで回復されつつあるそうです。
先日、こちらのブログで旅館ホテル業許可についてご説明いたしましたが、今回はさらに詳しい内容をご紹介いたします。

旅館ホテル業許可について

旅館やホテルなどの宿泊業を始める際、「旅館業法」という法律に基づいて、都道府県知事や市区町村長に許認可を受ける必要があります。旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされています。

また、「宿泊料を受けること」が要件となっており、宿泊料を徴収しない場合は旅館業法の適用は受けません。
なお、宿泊料は名目のいかんを問わず実質的に寝具や部屋の使用料とみなされるものは含まれます。例えば、休憩料はもちろん、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費も宿泊料とみなされます。
宿泊施設付きの研修施設(セミナーハウス)等が研修費を徴収している場合も、例えば当該施設で宿泊しないものも含め研修費は同じとするなど当該研修費の中に宿泊料相当のものが含まれないことが明白でない限り研修費には宿泊料が含まれると推定されます。ただし、食費やテレビ・ワープロ使用料など必ずしも宿泊に付随しないサービスの対価は宿泊料には含まれません。

旅館業の4つの種類

旅館業の許認可は、施設の規模や種類によって、下記の4種類に分かれています。

①ホテル営業許可
観光ホテルやビジネスホテルなど、洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業。
具体的には、客室が洋式中心で10室以上、1室の床面積が9平方メートル以上などの場合です。

②旅館営業許可
和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業。
駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館などが含まれます。
客室が和式中心で5室以上、1室の床面積が7平方メートル以上などの場合です。

③簡易宿所営業許可
宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業。
民泊、ペンション、ゲストハウス、山小屋、スキー小屋、カプセルホテルなどが該当します。
この場合、客室数の制限はなく客室全体の床面積が33平方メートル以上となどと細かい決まりがあります。

④旅館業(下宿)営業許可
住み込み施設など、1ヶ月以上の連続した滞在を主な目的として営業する施設に適用されます。
お風呂やトイレなどといった生活に必要な設備や、採光など各種条件を満たす必要があります。

施設の構造設備基準

施設の構造設備に関する、主要なものをご紹介いたします。

客室の床面積

一人あたりの客室の床面積は、下記を満たしていることが必要です。

ホテル営業・旅館営業・下宿営業

洋室:4.5㎡以上(修学旅行の場合、その他教育目的で同一施設に集団で宿泊させる必要がある場合は3.0㎡以上)
和室:3.3㎡以上(修学旅行の場合、その他教育目的で同一施設に集団で宿泊させる必要がある場合は2.5㎡以上)

簡易宿所営業

客室面積が一人当り3.3㎡以上が必要となります。

採光換気

客室には採光のための窓その他の開口部を設け、その面積は客室の床面積に対して8分の1以上とします。

便所(水洗式)の設置数

・客室定員が1~5人の場合
大便器1、小便器1(洋式便器2でも可)が必要です。

・客室定員が6~10人の場合
大便器2、小便器1が必要です。

2部屋男女別の便所が望ましく、手洗いは洗面所とは別とすることが望ましいとされています。

共同洗面所の設置数

客室定員1~30人の場合は、5人当たりで1個以上の給水栓(水道の蛇口)が必要で、トイレの手洗いとしての使用はしないこととされています。

飲用に適する水を用いることも必要です。

浴室、シャワー、共同浴室

・基本、入浴設備の設置が必要になります。
※銭湯等の公衆浴場が近接にある場合は、入浴設備を有さなくてもよい

・共同用シャワー等を設ける場合は、10人に1個の割合とするよう努める必要があります。

など、上記以外にも様々な基準があるのです。

人的要因

許可を受けようとする事業者が、下記に当てはまる場合は欠格事由にあたり許可を与えないことがあります。(旅館業法第3条規定する欠格事項)

第1号  心身の故障により旅館業を適正に行うことができない者(精神の機能の障害により、旅館業を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者)

第2号  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

第3号  禁錮以上の刑に処せられ、又は旅館業法若しくは旅館業法に基づく処分に違反して罰金以下の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者

第4号  旅館業法第8条の規定により許可を取り消され、取消しの日から起算して3年を経過していない者

第5号  暴力団員又は暴力団員でなくなった日から起算して5年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)

第6号  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む)が第1号から第5号までのいずれかに該当するもの

第7号  法人であって、その業務を行う役員のうちに第1号から第5号までのいずれかに該当する者があるもの

第8号  暴力団員等がその事業活動を支配する者

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